建設業許可サポート

建設業を営むには必ず許可が必要ですか?

建設業を営もうとする者は、軽微な工事を除いてすべて許可を取得する必要があります。軽微な工事とは、一件あたりの工事請負金額が500万円未満(建築一式工事については1500万円未満又は木造住宅で延べ面積が150㎡未満の工事)の工事をいいます。

許可が下りるまでに、どれくらいかかりますか?

富山県の場合、申請が受理されてから30日とされています。大臣許可の場合では約3ヶ月を要します。

建設業許可とは?

個人でも資本金100億円以上の大企業も、建設業許可を取得する場合には「建設業法」という法律の定めに従って許可の申請を行います。軽微な工事しか行わない場合を除いて、建設業を営もうとする者は、建設業の許可を受ける必要があります。

軽微な建設工事(許可を受けなくてもできる工事)
建築一式工事以外の建設工事
1件の請負代金が500万円*未満の工事(消費税を含んだ金額)
建築一式工事で右のいずれかに該当するもの
(1) 1件の請負代金が1,500万円*未満の工事(消費税を含んだ金額)
(2) 請負代金の額にかかわらず、木造住宅で延べ面積が150㎡未満の工事(主要構造部が木造で、延面積の1/2以上を居住の用に供するもの。)

建設業の29業種?

建設業の許可は、営もうとする建設工事の種類(29業種)ごとに分けて行われる、いわゆる業種別の許可制度が設けれています。

建設工事の種類建設工事の内容
土木一式工事総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事(補修、改造又は解体する工事を含む。以下同じ。)
建築一式工事総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事
大工工事木材の加工又は取付により工作物を築造し、又は工作物に木製設備を取付ける工事
左官工事工作物に壁土、モルタル、漆くい、プラスター、繊維等をこて塗り、吹付け、又ははり付ける工事
とび・土工・コンクリート工事イ) 足場の組立て、機械器具・建設資材等の重量物の運搬配置、鉄骨等の組立てを行う工事
ロ) くい打ち、くい抜き及び場所打ぐいを行う工事
ハ) 土砂等の掘削、盛上げ、、締固め等を行う工事
ニ) コンクリートにより工作物を築造する工事
ホ) その他基礎的ないしは準備的工事
石工事石材(石材に類似のコンクリートブロック及び擬石を含む。)の加工又は積方により工作物を築造し、又は工作物に石材を取付ける工事
屋根工事瓦、スレート、金属薄板等により屋根をふく工事
電気工事発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等を設置する工事
管工事冷暖房、冷凍冷蔵、空気調和、給排水、衛生等のための設備を設置し、又は金属製等の管を使用して水、油、ガス、水蒸気等を送配するための設備を設置する工事
タイル・れんが・ブロック工事 れんが、コンクリートブロック等により工作物を築造し、又は工作物にれんが、コンクリートブロック、タイル等を取付け、又ははり付ける工事
鋼構造物工事形鋼、鋼板等の鋼材の加工又は組立てにより工作物を築造する工事
鉄筋工事棒鋼等の鋼材を加工し、接合し、又は組立てる工事
舗装工事 道路等の地盤面をアスファルト、コンクリート、砂、砂利、砕石等により舗装する工事
しゅんせつ工事河川、港湾等の水底をしゅんせつする工事
板金工事金属薄板等を加工して工作物に取付け、又は工作物に金属製等の付属物を取付ける工事
ガラス工事工作物にガラスを加工して取付ける工事
塗装工事塗料、塗材等を工作物に吹付け、塗付け、又ははり付ける工事
防水工事アスファルト、モルタル、シーリング材等によって防水を行う工事
内装仕上工事木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、たたみ、ビニール床タイル、カーペット、ふすま等を用いて建築物の内装仕上げを行う工事
機械器具設置工事機械器具の組立て等により工作物を建設し、又は工作物に機械器具を取付ける工事
熱絶縁工事工作物又は工作物の設備を熱絶縁する工事
電気通信工事有線電気通信設備、無線電気通信設備、放送機械設備、データ通信設備等の電気通信設備を設置する工事
造園工事整地、樹木の植栽、景石のすえ付け等により庭園、公園、緑地等の苑地を築造し、道路、建築物の屋上等を緑化し、又は植生を復元する工事
さく井工事さく井機械等を用いてさく孔、さく井を行う工事又はこれらの工事に伴う揚水設備等を行う工事
建具工事工作物に木製又は金属製の建具等を取付ける工事
水道施設工事上水道、工業用水道等のための取水、浄水、配水等の施設を築造する工事又は公共下水道若しくは流域下水道の処理設備を設置する工事
消防施設工事火災警報設備、消化設備、避難設備若しくは消化活動に必要な設備を設置し、又は工作物に取付ける工事
清掃施設工事し尿処理施設又はごみ処理施設を設置する工事
解体工事工作物の解体を行う工事

建設業許可の区分?

大臣許可と知事許可

大臣許可2以上の都道府県の区域内に営業所を設けて営業しようとする場合は国土交通大臣の許可となります
知事許可1つの都道府県の区域内にのみ営業所を設けて営業しようとする場合は都道府県知事の許可となります。

一般建設業の許可と特定建設業の許可

特定建設業の許可発注者から直接請け負った工事代金が、1件あたり4,500万円以上となる下請契約を締結する場合、特定建設業の許可が必要です。ただし、建築工事業の場合は7,000万円以上となります。
一般建設業の許可一般建設業の許可は特定建設業の許可を受けようとする場合以外の者が取得する許可です。

建設業許可を受けるための要件?

許可を受けようとする建設業の業種と許可の種類・区分が決まったら、実際に許可を取るために必要な以下の要件を満たしているかどうかを確認します。

  1. 経営業務の管理責任者が(常勤して)いること
  2. 専任技術者が(専任して)いること
  3. 請負契約に関して誠実性のあること
  4. 財産的基礎又は金銭的信用のあること
  5. 欠格要件に該当しないこと

1. 経営業務の管理責任者について

  • 建設業の経営業務について総合的に管理し、執行した経験を有する者をいいます。
  • 許可を受けようとする建設業について5年以上、許可を受けようとする建設業以外については7年以上の経験を必要とします。
  • 具体的には、建設業者(許可の有無は問いません)の取締役の経験、個人事業主の経験を言います。

2. 専任技術者について

専任技術者になるためには、次のいずれかに該当していなければなりません。

  • 実務経験10年以上
  • 学歴+実務経験5年(大学等の学歴の場合3年)以上
  • 国家資格者

経営業務の管理責任者、専任技術者の常勤・専任について

常勤・専任について:営業所には「経営業務の管理責任者」が常勤していなければなりません。常勤者とは、本社・本店等において休日その他勤務を要しない日を除き、一定の計画のもとに毎日所定の時間中、その職務に従事している者をいいます。また、「専任技術者」は営業所に専任しなければなりませんが、事業主体と継続的雇用関係にあり、休日その他勤務を要しない日を除き、通常の勤務時間中その営業所に勤務していることをいいます。いずれの場合も営業所まで通勤が可能なこと、そして建築士事務所の管理建築士や宅建業の専任の取引主任者などと兼務していないことなども要注意です。

3. 誠実性について

  • 「不正な行為」「不誠実な行為」を行うおそれのないこと。
  • 「不正な行為」とは、請負契約の締結又は履行の際の詐欺、脅迫等、法律に違反する行為。
  • 「不誠実な行為」とは、工事内容、工期等請負契約に違反する行為。

暴力団の構成員は、この要件に反しますから、許可を受けられません。

4. 財産的基礎等について

請負契約を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的信用を有していることが必要となり、「一般」と「特定」で、要件が異なります。
「一般」の場合、以下のいずれかの要件に該当すること。

  1. 自己資本500万円以上
  2. 資金調達能力500万円以上
  3. 直前5年間許可を受けて継続して営業した実績のあること

特定建設業の財産的基礎は、直前の決算において、以下の4つ全てに該当することが必要です。

  1. 欠損比率20%以下
  2. 流動比率75%以上
  3. 資本金額2000万円以上
  4. 自己資本4000万円以上

5. 欠格要件に該当しないこと

次の(1)(2)該当するものは、許可は受けられません。これを欠格要件といいます。
(1)許可申請書又は添付書類の中に、虚偽の記載や重要な事実の記載が欠けているとき
(2)法人の役員、個人にあってはその本人、その他令第3条使用人が次の内のいずれかに該当するとき。

  • 成年被後見人、被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
  • 不正な手段で許可を受けたことにより、許可を取り消されて5年を経過しない者
  • 許可の取り消しを免れるために廃業の届出をしてから5年を経過しない者
  • 営業停止期間中の建設業者の役員や令第3条使用人
  • 禁錮刑以上の刑に処せられ、その刑の執行が終わり、その刑を受けることがなくなって5年を経過しない者
  • 法律(建設業法、建築基準法、都市計画法、労働基準法、暴力団対策法、刑法の傷害罪、暴行罪、脅迫罪など)で罰金刑に処せられ、刑の執行を終わり、刑を受けなくなってから5年未経過の者

取得にかかる期間と費用?

建設業許可申請の処理期間は、知事許可で通常、申請書受付後30日程度、大臣許可で通常、申請書受付後3か月程度です。

都道府県知事の許可

  • 新規、許可換え新規、般・特新規の許可: 手数料 9万円(現金で納入)
  • 業種追加又は更新: 手数料 5万円(現金で納入)

国土交通大臣の許可

  • 新規、許可換え新規、般・特新規の許可: 登録免許税 15万円(浦和税務署宛に銀行、郵便局等を通じて納入し、納付書を正本に貼付)
  • 業種追加又は更新: 手数料 5万円(収入印紙を正本に貼付)

建設業許可を取得した後、どのような手続きがあるのか?

許可を受けた後、下記に該当する変更事項があった場合は、変更届出書を提出しなければなりません。

必要な届出が提出されていない状態では般・特新規申請、追加申請、更新申請はできませんので、ご注意ください。

変更後2週間以内に届出を行う必要があるもの
  • 経営業務の管理責任者の変更
  • 専任技術者の変更
  • 建設業法施行令第3条に規定する使用人の変更
変更後30日以内に届出を行う必要があるもの
  • 商号の変更
  • 営業所の名称・所在地・電話番号・郵便番号の変更
  • 営業所の新設
  • 営業所の廃止
  • 営業所の業種追加
  • 営業所の業種廃止
  • 資本金額の変更
  • 役員等の変更 (1)就任 (2)辞(退任) (3)代表者 (4)氏名(改姓・改名)
  • 支配人の変更 (1)新任 (2)退任 (3)氏名(改姓・改名)

経審サポート

経営事項審査とは?

「経営事項審査」は、公共工事の入札に参加する建設業者(建設業許可を受けた建設業者)が必ず受けなければならない審査です。
 公共工事の各発注機関は、競争入札に参加する建設業者が欠格要件に該当しないかどうかを審査したうえで、「客観的事項」と「主観的事項」の審査結果を点数化し、順位付け、格付けを行います。
 このうちの、「客観的事項」の審査が『経営事項審査(経審(けいしん))』と呼ばれる審査制度です。この審査は「経営状況」と「経営規模、技術的能力、その他の客観的事項」について数値により評価するもので、「経営状況」の分析については、国土交通大臣が登録した経営状況分析機関が行っています。
 また、発注者と請負契約を締結する日の1年7ヶ月前の日の直後の事業年度終了の日以降に経営事項審査を受けていなければならないことから、毎年度継続して審査を受けておく必要があります。

対象となる「公共工事」とは?

経営事項審査を受けなければ、直接請け負うことができないとされる工事(公共工事)とは、次に掲げる発注者が発注する施設又は工作物に関する建設工事で、建設工事1件の請負代金額が、500万円以上(建築一式工事の場合は、1500万円以上)のものとなります。

 (1)国
 (2)地方公共団体
 (3)法人税別表第一に掲げる公共法人(地方公共団体を除く)
 (4)上記に準ずるものとして国土交通省令で定める法人

経営事項審査の仕組み?

経営事項審査は、次に掲げる事項について、数値による評価をして行います。(建設業法第27条の23第2項)

1)経営状況

2)経営規模等

【経営規模等とは】
 「経営状況」(Y)以外の客観的事項を言います。
 具体的には、「経営規模」(X)、「技術力」(Z)及び「社会性等」(W)から構成されています。

 国土交通大臣又は都道府県知事は、上記2)の「経営規模等」に係る評価(経営規模等評価)の申請をした建設業者から請求があった場合には、上記1)の「経営状況」に関する分析(経営状況分析)の結果に係る数値と経営規模等評価の結果に係る数値を用いて、客観的事項の全体についての評定結果に係る数値を通知しなければならないとされています。この客観的事項全体に係る数値を「総合評定値」(P)と言います。

「経営状況分析」結果(Y)+「経営規模等評価」結果(X・Z・W)=「総合評定値」(P)

経営事項審査の有効期間?

経営事項審査の有効期間は、結果通知書(経営事項審査)を受領した後、その経営事項審査の審査基準日から1年7ヶ月の間です。
 この「1年7ヶ月」の期間は、審査基準日から起算されるものであり、結果通知書を受け取ってからの期間ではありません。
 公共工事の受注(発注者と契約を締結すること)には、契約締結日の1年7か月前以降の決算日を基準日とする経営事項審査を受け、その結果通知書の交付を受けていることが必要です。これは、公共工事発注者の入札参加資格の有無とは関係なく、公共工事の受注そのものに対し義務付けられるものです。
 従って、毎年公共工事を直接請け負おうとする場合は、有効期間が切れ目なく継続するよう、毎年決算後速やかに経営事項審査を受ける必要があります。

CCUSサポート

CCUSとは何ですか。

建設キャリアアップシステム(CCUS)とは、国土交通省が推進する、建設業に関わる技能者の資格・社会保険加入状況・現場の就業履歴などを登録・蓄積し、技能者の適正な評価や建設事業者の業務負担軽減に役立てるため仕組みのことです。このシステムは、一般財団法人建設業振興基金が運営主体となり、2019年4月より本格運用が開始されました。

技能者申請において、健康保険の証明書類は何を提出すればいいですか。

技能者申請時の健康保険は「健康保険被保険者証」「健康保険資格確認証」「医療保険の資格情報」を提出してください。その際、記号、番号、保険者番号、QRコードについてはマスキング(消しこみ)をしてください。

以前の会社で技能者登録をしている場合、転職後に再度技能者登録が必要なのか。

同じ技能者が複数のIDを持つことはできません。そのため、以前の会社で技能者登録をされている場合は、既に登録している技能者IDにてログインし、所属事業者、保険等の情報を変更してください。

一人親方の場合は、事業者登録と技能者登録、両方が必要となるのか

まず、技能者登録は必要です。

事業者登録の必要有無は、立場によって変わってきます。

一人親方については、「労働者を使用しないで事業を行うことを常態とする者」や「あるときは事業主として経営者の立場に立ち、また、あるときは技能労働者として雇用される者」など様々に定義されていますが、本システムでは、「請負契約を結んで施工体制に事業者として登録される立場」であれば、事業者登録をして頂く必要があります。

一方、特定の事業所に所属せず、専ら技能労働者として雇用される立場であれば事業者登録は不要で技能者登録のみが必要となります。ただし、他サービスと就業履歴についてのAPI連携を利用したい場合は、事業者登録が必要です。なお、技能者登録の所属事業所欄には、主たる事業所としてご自身の事業所・屋号を登録して頂きますが、他の事業者にも雇用される場合は、所属する事業所欄に追加して頂くことでその事業者により、作業員名簿への登録や就業履歴の登録が可能となります。

入管手続きサポート

ビザ(査証)とは何ですか。

ビザとは、在外公館で発行されるもので、その外国人が持っている旅券(パスポート)が有効であるという「確認」と、ビザに記載された条件により入国することに支障がないという「推薦」の意味を持っています。

在留資格・在留期間とは何ですか。

在留資格とは、外国人が我が国に入国・在留して従事することができる活動又は入国・在留できる身分又は地位について類型化し、法律上明らかにしたものであり、現在38種類の在留資格があります。

在留期間とは、在留資格をもって在留する外国人が本邦に在留することができる期間のことであり、許可される在留期間は在留資格ごとに定められています。なお、外国人は、許可された在留資格・在留期間の範囲内で活動を行うことができます。

特定技能とは何ですか。

特定技能は国内の人手不足が深刻化する中、「即戦力」となる外国人労働者を受け入れるために2019年4月に設けられた在留資格です。

出入国在留管理庁によると、特定技能で働く外国人は制度創設以来、右肩上がりで増えており、2023年12月末時点(速報値)で20万8462人に上ります。さらに政府は特定技能による外国人労働者の受け入れ枠を、2024~28年度までの5年間で82万人に拡大する方針を打ち出しました。これは2023年度までの5年間で設定していた人数の2.4倍に上ります。

特定技能は基本的に、一定の語学力と専門技能を持つ人が対象ですが、技術レベルに応じて「相当程度の知識または経験」が求められる1号と、より熟練したスキルと実務経験が必要な2号に分かれています。また特定技能で働く労働者の受け入れが可能な業種は、食品製造や農業など特に人手不足が深刻な分野に限られます。

「特定技能2号」はどのような在留資格ですか。「特定技能1号」を経れば自動的に「特定技能2号」に移行できますか。

「特定技能2号」は、熟練した技能を持つ外国人向けの在留資格であり、「特定技能1号」より高い技能を持つことが必要です。このような技能水準を持っていることは試験等によって確認されます。よって、「特定技能1号」を経れば自動的に「特定技能2号」に移行できるわけではありません。他方で、高い技能を持っており、試験等によりそれが確認されれば、「特定技能1号」を経なくても「特定技能2号」の在留資格を取得することができます。

「特定技能」の在留資格から、永住許可は認められますか。

永住許可を受ける要件のひとつとして、「引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし、この期間のうち、就労資格(在留資格「技能実習」及び「特定技能1号」を除く。)又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する。」と定められているところ、要件にあるとおり「特定技能1号」や「技能実習」の在留資格で日本にいる期間は就労資格として在留している期間に含まれないほか、「特定技能1号」の在留資格で日本に在留できる期間は最長5年であるため、「永住者」の在留資格へ変更することは難しいです。
 一方、「特定技能2号」の在留資格で日本にいる期間は就労資格として在留している期間に含まれるため、「永住者」の在留資格へ変更することが可能です。