開発許可制度の概要

開発行為(建物を建てるために造成などを行うこと)をしようとするときには、区域・規模に応じて、都市計画法に基づく開発許可が必要です(下表参照)。
なお、市街化調整区域では、農家住宅を建てる場合などを除いて、原則として開発行為や建築等行為は禁止されています(ただし、分家住宅など例外的に許可を受けて開発・建築等できる場合もあります)。

区域許可の必要な規模
市街化区域1,000平方メートル以上
非線引き都市計画区域3,000平方メートル以上
都市計画区域外10,000平方メートル以上
市街化調整区域原則開発・建築等禁止
各市町村の都市計画の状況(令和6年3月31日現在)
市町村都市計画区域区域外
線引都市計画区域非線引都市計画区域
市街化区域(用途地域)市街化調整区域用途地域用途地域指定なし
富山市、高岡市ありありあり
射水市なし
氷見市、砺波市、小矢部市なしありなし
舟橋村なしあり
その他市町ありあり

参考:『富山県の都市計画(資料編)』(富山県都市計画課)

農家分家住宅

農家分家住宅は、農業を営む家庭が親族のために新たに住宅を建てるための制度であり、特定の条件を満たすことで市街化調整区域内に建設が可能です。

農家分家住宅の定義

農家分家住宅とは、農業を営む家庭が親族(子供や兄弟など)のために独立した住宅を建設することを指します。この制度は、農家が地域に根ざした生活を続けるための住環境を確保することを目的としています。特に市街化調整区域において、通常は住宅建設が難しいエリアでも、特定の条件を満たすことで居住を目的とする住宅の建築が許可されます。 

建設の条件

農家分家住宅を建設するためには、以下のような条件を満たす必要があります。 

農家分家住宅建設の条件

  • 土地の所有: 申請者は市街化調整区域内の自己所有地に住宅を建てる必要があります。
  • 親族関係: 建設する住宅は、親族(子供や兄弟)用である必要があります。
  • 農業従事者である必要はない: 農業を営んでいない場合でも、分家住宅を建てることが可能です。
  • 自治体の許可: 各自治体の条例に基づき、建設許可を得る必要があります。特に市街化調整区域では、厳格な審査基準が設けられています。 

農家住宅との違い

農家住宅は、農業を営む本人または世帯が農地の近くに建てる居宅であり、開発許可が不要な特例があります。一方、分家住宅は親族間で土地を相続・贈与された場合に建設でき、農業を営んでいない場合でも建設が可能です。 

申請手続き

開発許可を取得するための手続きには、いくつかのステップが存在します。基本的な流れは以下の通りです。

  1. 事前協議: 申請者は、開発予定地の計画について、自治体の担当部署に事前相談を行います。この段階で、計画が法令に適合しているか、インフラ整備が十分かなどを確認します。 
  2. 申請書類の準備
    開発許可申請に必要な書類は、以下のようなものが含まれます
    - 開発行為に関する申請書
    - 開発計画書
    - 設計図面(土地利用計画図、配置図、平面図、断面図など)
    - 土地の権利証明書
    - インフラ整備計画書(道路、水道、排水など)
    必要書類は自治体や開発規模によって異なるため、事前相談時に確認しておくことが重要です。また、自治体の最新ガイドラインを参照し、追加の提出が必要な書類がないか確認してください。
  3. 申請の提出
    申請書類を整え、都道府県知事や市町村長などの許可権者に提出します。申請書類が受理されると、審査が行われます。
  4. 審査と許可の取得
    提出された書類に基づき、法令適合性や環境への影響、インフラ整備状況などが詳細に審査されます。
    審査には通常、複数の部署が関与し、追加情報の要求が発生する場合があります。審査が完了し、問題がなければ開発許可を取得することができます。

審査には通常、複数の部署が関与し、追加情報の要求が発生する場合があります。審査が完了し、問題がなければ開発許可を取得することができます。

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