経営事項審査の概要

経営事項審査(略称:経審)とは、公共工事を受注しようとする建設業者について、その業者の規模、財務内容など経営に関する事項の審査を建設業法に基づき国土交通大臣又は都道府県知事が行う制度です。(建設業法第27条の23第1項)

【対象となる「公共工事」とは】

 経営事項審査を受けなければ、直接請け負うことができないとされる工事(公共工事)とは、次に掲げる発注者が発注する施設又は工作物に関する建設工事で、建設工事1件の請負代金額が、500万円以上(建築一式工事の場合は、1500万円以上)のものとなります。
 (1)国
 (2)地方公共団体
 (3)法人税別表第一に掲げる公共法人
 (4)上記に準ずるものとして国土交通省令で定める法人

審査基準日

 経営事項審査では、原則として申請をする日の直前の事業年度終了日(直前の決算日)が審査基準日となります。審査基準日は直前の事業年度の終了日であるため、申請時に既に新しい審査基準日を迎えている場合、従前の審査基準日では審査を受けることはできません。

経営事項審査の審査内容について

 経営事項審査は、次に掲げる事項について、数値による評価をして行います。(建設業法第27条の23第2項)

1)経営状況
2)経営規模等
【経営規模等とは】
 「経営状況」(Y)以外の客観的事項を言います。
 具体的には、「経営規模」(X)、「技術力」(Z)及び「社会性等」(W)から構成されています。

区分審査項目
経営規模X1完成工事高(業種別)
X2自己資本額(純資産額)利払前税引前償却前利益
経営状況Y1. 純支払利息比率
2. 負債回転期間
3. 売上高経常利益率
4. 総資本売上総利益率
5. 自己資本対固定資産比率
6. 自己資本比率
7. 営業キャッシュフロー
8. 利益剰余金
技術力Z技術職員(業種別)元請完工高(業種別)
その他の
審査項目
W建設工事の担い手の育成及び確保に関する取組の状況ア 雇用保険の加入
イ 健康保険の加入
ウ 厚生年金保険の加入
エ 建設業退職金共済制度の導入
オ 退職一時金制度若しくは企業年金制度の導入
カ 法定外労働災害補償制度の導入
キ 若年技術職員の継続的な育成及び確保
ク 新規若年技術職員の育成及び確保
ケ 技術者のCPD単位取得数
コ 技術者の技能レベル向上者数
サ 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく認定の状況
シ 次世代育成支援対策推進法に基づく認定の状況
ス 青少年の雇用の促進等に関する法律に基づく認定の状況
セ 建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積するために必要な措置の実施状況
建設業の営業継続の状況建設業許可を受けて営業した満年数
防災活動への貢献の状況防災協定の締結の有無
法令遵守の状況営業停止処分等を受けた場合減点
建設業の経理に関する状況監査の受審状況公認会計士等の数登録経理試験2級合格者
研究開発の状況対象は会計監査人設置会社のみ
建設機械の保有状況ショベル系掘削機、ブルドーザー、トラクターショベル、モーターグレーダー、ダンプ車、移動式クレーン、締固め用機械、解体用機械、および高所作業者の保有
エコアクション・ISO取得の状況エコアクション、ISO9001、ISO14001の取得

入札参加資格審査の客観的事項は総合評定値(P点)で評価される

公共工事の各発注機関は、競争入札に参加しようとする建設業者についての資格審査を行うこととされており、客観的事項と発注者ごとに評価する事項の審査結果を点数化し、順位付け、格付けをしています。「客観的事項」の点数に利用されるのが、経営事項審査で算出される総合評定値(P点)になります。

P点は、建設業などの経営事項審査において、企業の評価を数値化したもので、公共工事の入札資格に影響を与えます。P点が高いほど、より大規模な公共工事に参加できる機会が増えます。

建設業者と経営事項審査の関係

出典:国土交通省 関東地方整備局

P点の計算方法

P点は、以下の評価項目に基づいて計算されます。具体的な計算式は次の通りです:

総合評点(P)=0.25X1+0.15X2+0.2Y+0.25Z+0.15W

ここで、各項目は以下のように定義されます:

  • X1: 工事種類別年間平均完成工事高評点
  • X2: 自己資本額または平均自己資本の額
  • Y: 決算報告書の数値から算出される指標
  • Z: 技術力評点
  • W: その他の評価項目

経営事項審査の有効期間

 経営事項審査の有効期間は、結果通知書(経営事項審査)を受領した後、その経営事項審査の審査基準日から1年7ヶ月の間です。
 この「1年7ヶ月」の期間は、審査基準日から起算されるものであり、結果通知書を受け取ってからの期間ではありません。
 公共工事の受注(発注者と契約を締結すること)には、契約締結日の1年7か月前以降の決算日を基準日とする経営事項審査を受け、その結果通知書の交付を受けていることが必要です。これは、公共工事発注者の入札参加資格の有無とは関係なく、公共工事の受注そのものに対し義務付けられるものです。
 従って、毎年公共工事を直接請け負おうとする場合は、有効期間が切れ目なく継続するよう、毎年決算後速やかに経営事項審査を受ける必要があります。

有効期限が切れ目なく継続するケース

出典:国土交通省 関東地方整備局

【有効期間を切れ目無く継続するためには】

 毎年、決算終了後4ヶ月以内を目安に経営事項審査を申請する必要があります(3月決算の会社があれば、7月末日まで)。
 また、申請するにあたり、事前に建設業許可に係る決算の"変更届出書"の提出を必ず行ってください。

経審の流れ

経営状況分析(Y評点算出)の申請

まず最初に、経営事項審査に必要な経営状況分析(Y評点)について、建設業法の規定に基づき国土交通省の登録を受けた機関(登録経営状況分析機関)にY評点算出の申請を行います。

STEP
1

分析結果(Y評点)の受領

分析機関により異なりますが、申請後1週間程度で経営状況分析結果通知書が申請者の元に届き、結果が通知されます。

STEP
2

経営事項審査の申請

予約した受審日に必要書類を持参し、申請会場で審査を申請します。
申請書類の内容に虚偽が無いかを、その場で確認書類などと照らし合わせて確認されます。

STEP
3

経営事項審査の結果の通知

申請が受理されてから、自治体により異なりますが、おおよそ3~4週間で申請者の元に「①経営規模等評価結果通知書」と「②総合評定値通知書」が届き、経営事項審査の結果が通知されます。

STEP
4

手数料

[1]経営状況分析

登録経営状況分析機関へ直接お問い合わせ下さい。

[2]経営規模等評価申請

8,100円に建設業者が審査を受けようとする建設業([3]において「審査対象業種」という。)1種類につき2,300円として計算した額を加算した額

[3]総合評定値請求

400円に審査対象業種1種類につき200円として計算した額を加算した額

経営事項審査とは何ですか?

「経営事項審査」とは、公共工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者が必ず受けなければならない審査です。この審査は、建設業者の「経営規模」、「経営状況」、「技術力」、「社会性等」を客観的に数値評価するもので、総合的な評定値(P点)が算出されます。この数値が、公共工事の入札における資格や工事規模の上限を決める判断材料となります。

建設業許可がなくても経営事項審査は受けられますか?

建設業許可を取得していなければ、経営事項審査を受けることはできません。