特定技能「建設」分野の統合

業務区分が19から3つに統合されたことで、建設業に関わるすべての作業が新しい区分に分類されました。また、大きく3つになったことで業務の範囲も広がり、より特定技能が利用しやすくなったのです。具体的には、旧19区分にそれまで特定技能の対象外だった業種を加え、「土木」「建築」「ライフライン・設備」の3区分に再編されました。

従事する主な業務

特定技能外国人が従事する活動は、特定産業分野に属する業務であって、相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務(業務区分該当性)でなければなりません。

(土木区分)

〈 分野、区分の概要 〉
 指導者の指示・監督を受けながら、土木施設の新設、改築、維持、修繕に係る作業等に従事

〈 従事する主な業務 〉
 型枠施工 / コンクリート圧送 / トンネル推進工 /建設機械施工 / 土工 / 鉄筋施工 / とび / 海洋土木工

その他、土木施設の新設、改築、維持、修繕に係る作業

〈 想定される関連業務 〉

  • 原材料・部品の調達・搬送
  • 機器・装置・工具等の保守管理
  • 足場の組立て、設備の掘り起こしその他の後工程の準備作業
  • 足場の解体、設備の埋め戻しその他の前工程の片付け作業
  • 清掃・保守管理作業
  • その他、主たる業務に付随して行う作業

(建築区分)

〈 分野、区分の概要 〉
 指導者の指示・監督を受けながら、建築物の新築、増築、改築若しくは移転又は修繕若しくは模様替に係る作業等に従事

〈 従事する主な業務 〉
 型枠施工 / 左官 / コンクリート圧送 / 屋根ふき /土工 / 鉄筋施工 / 鉄筋継手 / 内装仕上げ /表装 / とび / 建築大工 / 建築板金 / 吹付ウレタン断熱

その他、建築物の新築、増築、改築若しくは移転、修繕又は模様替に係る作業

〈 想定される関連業務 〉

  • 原材料・部品の調達・搬送
  • 機器・装置・工具等の保守管理
  • 足場の組立て、設備の掘り起こしその他の後工程の準備作業
  • 足場の解体、設備の埋め戻しその他の前工程の片付け作業
  • 清掃・保守管理作業
  • その他、主たる業務に付随して行う作業

(ライフライン・設備区分)

〈 分野、区分の概要 〉
 指導者の指示・監督を受けながら、電気通信、ガス、水道、電気その他のライフライン・設備の整備・設置、変更又は修理に係る作業等に従事

〈 従事する主な業務 〉
 電気通信 / 配管 / 建築板金 / 保温保冷

その他、ライフライン・設備の整備・設置、変更又は修理に係る作業

〈 想定される関連業務 〉

  • 原材料・部品の調達・搬送
  • 機器・装置・工具等の保守管理
  • 足場の組立て、設備の掘り起こしその他の後工程の準備作業
  • 足場の解体、設備の埋め戻しその他の前工程の片付け作業
  • 清掃・保守管理作業
  • その他、主たる業務に付随して行う作業

人材基準

特定技能外国人として従事する活動が、法務省令の分野別運用方針及び運用要領で定める一定程度の技能水準であることが要件となります。

特定技能1号

技能水準「建設分野特定技能1号評価試験」又は、「技能検定3級」
※本分野に関する技能実習2号を良好に修了した者は試験免除となります。対象となる職種や技能検定等は上記「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領」を御確認ください。
日本語能力「国際交流基金日本語基礎テスト」又は、「日本語能力試験(N4以上)」
※日本語試験については職種を問わず技能実習2号を良好に修了している場合は免除。

特定技能2号

技能水準「建設分野特定技能2号評価試験」、「技能検定1級」又は、「技能検定単一等級」
※対象となる技能検定等は上記「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領」を御確認ください。
実務経験建設現場において複数の建設技能者を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者(班長)としての実務経験を要件とする。

特定技能1号、2号「建設」の取得ルート

特定技能1号「建設」の取得

特定技能1号の在留資格を得るためには、「試験合格ルート」と「技能実習等からの切替ルート」の2通りの方法があります。

試験ルート

この方法では、建設分野の技能評価試験(「建設分野特定技能1号評価試験」または「技能検定3級」)と日本語試験の両方に合格する必要があります。技能評価試験では、初級技能者が持っているべき技能や知識が問われ、試験区分は「土木」「建築」「ライフライン・設備」の3つです。希望する業務区分に合わせて試験を受けます。

技能実習等からの切替ルート

もう1つの方法は、建設分野の技能実習2号を良好に修了し、特定技能1号への移行を申請することです。技能実習2号をきちんと修了していれば、特定技能1号への移行が可能です。この方法では、技能実習2号を「良好に修了」していることと、技能実習で経験した職種や作業内容が、特定技能1号で従事する業務区分と一致していることが条件となります。この場合、日本語試験は免除されます。

特定技能2号「建設」の取得

班長としての実務経験+「建設分野特定技能2号評価試験」又は所定の「技能検定1級」等に合格

建設分野の特定技能2号では、日本語試験は免除されており、「建設分野特定技能2号評価試験」または「技能検定1級」のいずれかに合格することが主なルートです。これらの試験は、熟練した技能労働者が通常備えているべき技能と知識を評価するもので、「土木」「建築」「ライフライン・設備」の区分があります。業務に応じて適切な区分を選択し、受験することが必要です。

加えて、建設現場での実務経験も不可欠です。CCUSで能力評価基準が定められた職種に従事しており、レベル3の評価を取得している場合は、「能力評価(レベル判定)結果通知書」の写しを提出することで、実務経験の要件を満たすことが可能です。

受入れ機関に対して特に課す条件

建設業では、従事することとなる工事によって建設技能者の就労場所が変わるため現場ごとの就労管理が必要となることや、季節や工事受注状況による仕事の 繁閑で報酬が変動するという実態もあり、特に外国人に対しては適正な就労環境確保への配慮が必要であることから、以下のとおりとする。

  1. 特定技能所属機関は、建設業法(昭和 24 年法律第 100 号)第3条の許可を受けていること。
  2. 特定技能所属機関は、国内人材確保の取組を行っていること。
  3. 特定技能所属機関は、1号特定技能外国人に対し、同等の技能を有する日本 人が従事する場合と同等以上の報酬額を安定的に支払い、技能習熟に応じて昇給を行う契約を締結していること。
  4. 特定技能所属機関は、1号特定技能外国人に対し、雇用契約を締結するまで の間に、当該契約に係る重要事項について、当該外国人が十分に理解することができる言語で書面を交付して説明すること。
  5. 特定技能所属機関は、当該機関及び受け入れる特定技能外国人を建設キャリアアップシステムに登録すること。
  6. 特定技能所属機関は、特定技能外国人受入事業実施法人の登録を受けた法人又は当該法人を構成する建設業者団体に所属すること。
  7. 特定技能1号の在留資格で受け入れる外国人の数が、特定技能所属機関の常勤の職員(外国人技能実習生、1号特定技能外国人を除く。)の総数を超えないこと。
  8. 特定技能所属機関は、国土交通省の定めるところに従い、1号特定技能外国 人に対する報酬予定額、安全及び技能の習得計画等を明記した「建設特定技能 受入計画」の認定を受けること。
  9. 特定技能所属機関は、国土交通省又は国土交通省が委託する機関により、上記8において認定を受けた計画を適正に履行していることの確認を受けること。
  10. 上記9のほか、特定技能所属機関は、国土交通省が行う調査又は指導に対し、必要な協力を行うこと。
  11. 特定技能所属機関は、特定技能外国人からの求めに応じ、実務経験を証明する書面を交付すること。
  12. そのほか、建設分野での特定技能外国人の適正かつ円滑な受入れに必要な事項 。

そのほか、建設分野での特定技能外国人の適正かつ円滑な受入れに必要な事項 。特定産業分野ごとに、当該分野を管轄する大臣が特有の事情に鑑みて告示で定める基準(上乗せ基準)にも適合することが求めらています。

受入計画の審査(国土交通大臣)

1号特定技能外国人の雇用に際しては、国土交通大臣による建設特定技能受入計画の認定を受けることを求めています。

国土交通省の受入計画の審査と法務省の在留資格の審査は並行審査が可能とされています。

提出先

北陸地方整備局

特定技能外国人が就労を開始するまでの流れ

①日本国内に在留している外国人を採用する場合

  1. 外国人が試験に合格又は技能実習2号を修了
  2. 特定技能外国人と雇用契約を結ぶ。
  3. 特定技能外国人の支援計画を策定する。
  4. 在留資格変更申請を地方出入国管理局へ行う。
  5. 建設特定技能受入計画の認定申請を北陸地方整備局へ行う。(オンライン申請)
  6. 「特定技能1号」へ在留資格変更
  7. 就労開始

②海外から来日する外国人を採用する場合

  1. 外国人が試験に合格又は技能実習2号を修了(帰国済み)
  2. 特定技能外国人と雇用契約を結ぶ。
  3. 特定技能外国人の支援計画を策定する。
  4. 在留資格認定証明書交付申請を地方出入国管理局へ行う。
  5. 建設特定技能受入計画の認定申請を北陸地方整備局へ行う。(オンライン申請)
  6. 建設特定技能受入計画の認定を受ける。
  7. 在留資格認定証明書受領
  8. 受入れ機関から本人へ送付
  9. 在外公館に査証(ビザ)申請
  10. 査証(ビザ)受領
  11. 入国
  12. 就労開始

行政書士報酬額

  • 海外から来日する外国人が受入れ外国人の場合、在留資格認定証明書交付申請になります。
  • 日本国内に在留している外国人が受入れ外国人の場合、在留資格変更申請になります。
  • 申請手数料(収入印紙代)、郵送費など実費が別途必要になります。
   業務内容報酬額 
(税抜き)
在留資格認定証明書交付申請(海外から来日する外国人)
複数名を同時に申請する場合:1名あたりの報酬額を割引します
¥120,000
在留資格変更申請(日本国内に在留している外国人)
複数名を同時に申請する場合:1名あたりの報酬額を割引します
¥100,000
建設特定技能受入計画の認定申請¥80,000
在留期間更新申請¥50,000
国が指定する協議会への入会手続き¥25,000